水前寺成趣園
江戸初期の1632(寛永9)年、清水の沸くこの地を肥後細川家・初代熊本藩主忠利公が気に入り、御茶屋を建てたことを発端に、三代目・網利公の時に完成した回遊式庭園。国の名勝・史跡に指定されている。園の中心にあるのは、阿蘇の伏流水が静かに湧き出る池。面積が約10,000平方メートルあり、周囲に緩やかな起伏をつくる築山、松などが施され、春夏秋冬の景色を感じながら散策することができる。1912(大正元)年に京都御所内から移築された「古今伝授の間」から見る成趣園の風景が最も趣き深いとされている。
池の湧水は18度ほどの水温が保たれているため、水温と気温の差が大きくなる冬に朝霧が発生しやすく、幻想的な風景になる。春には散策路に植えられた桜が満開になり、花見客でいっぱいになる。園内にはほかにも、8月に薪能が行われる「能楽殿」、細川藤孝公・忠興公以下歴代の藩主をまつる「出水神社」、春秋の例大祭で奉納される流鏑馬の馬場など見どころも点在している。中でも、神水「長寿の水」は豊富な湧水に恵まれた「水の都」ならではのスポットだ。
園内でお祭りやイベントなども行われている。3月に開催される「水前寺成趣園まつり」では、肥後古流お茶席大会、武田流騎射流鏑馬、細川流盆石など、成趣園にゆかりのある文化体験ができる。着物月間やゆかた月間、季節の花の展覧会など、一年を通して催し物が開催されている。
水前寺成趣園
所在地:熊本県熊本市中央区水前寺公園8-1
電話番号:096-383-0074
開園時間:8:30~17:00 ※入園は閉園の30分前まで
http://www.suizenji.or.jp/index.html